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供贄の黄金
シロエは、八兆の金貨を求めて北の大地に旅立った。
だが、そこで突きつけられたのは大規模戦闘(レイド)の予告。アキバを頼れない状況下で、シロエがレイドメンバーに選んだのは、自称銀河系アイドルのてとら、<円卓会議>入りを拒んだマサチューセッツ率いる<シルバーソード>、ススキノでの戦闘に敗れ、未だシロエを恨むデミクァスら。
一度は別の道を進んだ男たちが協力し、最難関のレイドに挑む。前人未到の地へ――軍師シロエの真骨頂!!
シロエ
思索派ギルドマスター
名前 | シロエ |
レベル | 93 |
種族 | ハーフアルヴ |
職業 | 付与術士《エンチェンター》 |
HP | 11162 |
MP | 12996 |
直継とたった二人でアキバの街を離れた〈記録の地平線〉思索派ギルドマスター。
起きてしまったトラブルばかりではなく将来起きうるトラブルにまで心配レーダーの警戒範囲を広げた結果、その仕事量は倍増。というか爆発的に増大。ただでさえ少ない睡眠時間を目の下のクマと等価交換する謎の錬金術を開発してしまった。しかし本人の方はといえば、部屋の掃除をするよりも汚さない方が重要だよね、という主婦の知恵袋的な感想しか持っていない様子。直継が心配するのもよくわかる。
今回は懐かしの〈パルムの深き場所〉へと再び向かい、その地に住まう供贄一族と何らかの接触をしようとする。シロエがアキバを離れるほど重要だと思う任務とは一体何なのだろうか。
――閉じ込められてないよ。引きこもってるだけだよ。
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[滅びたる翼の白杖]
《ほろびたるつばさのはくじょう》
所有者の支援魔法の効果範囲を拡大する効果がある長杖。普段は何の変哲もない古木の杖だが、起動状態では翼型の力場が先端から展開される。非常に協力なアイテムだが入手も困難で現存数は少ない幻想級のレイド品。
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[賢人の外套]
《けんじんのコート》
海外サーバーのレイドクエスト「砂漠に眠る賢獣人」のクリア報酬。装備者に、その智慧に応じた守りの加護を与えるとされる幻想級防具。精神的なバッドステータスへの高い耐性を誇る。
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[月桂の華護り]
《げっけいのはなまもり》
月に咲くという伝説の華を模した幻想級護符。魂の移ろいを祝福するとされ、脂肪からの復活時に失われる経験値を減少させる。精神属性の攻撃魔法や防御魔法を強化する効果がある。
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名前 | 直継 |
レベル | 94 |
種族 | ヒューマン |
職業 | 守護戦士《ガーディアン》 |
HP | 14750 |
MP | 7325 |
面倒見がよいシロエの親友であり歴戦の〈守護戦士〉。いつも明るくめげないその性格でギルドの内外の別なく信頼は篤い。
トウヤ、ミノリ、五十鈴、セララ、ルンデルハウスなどの面倒を見る毎日とそのキラキラ視線に心癒される日々を送っている。けっして暇だから子守をしているわけではないのだ。
秘匿情報によると(すちゃ)〈三日月同盟〉のギルドマスターを務めるある女性となにやらほのぼのとした友人以上交際未満の関係を続けているらしいが(にゃー)本編でその様子が描写されることはあまりにも少ない(はわわ)。というのも、あまりにもほのぼの過ぎて周囲もコメントをするのさえ面倒くさくなっているから(えろ継のくせに……)。
――さまざまな要素を加味して総合的に判断をする限り、てか、明確に、ボリューム的に、パンツ的にもマリエさんのほうが勝ち! つまり祭り!
名前 | ウィリアム=マサチューセッツ |
レベル | 95 |
種族 | エルフ |
職業 | 暗殺者《アサシン》 |
HP | 11785 |
MP | 11926 |
戦闘系精鋭ギルド〈シルバーソード〉の野戦指揮官。
別名“ミスリルアイズ”。
アカツキなどが用いる背後からの強襲を中心としたビルドや、近接連続攻撃を行うビルドではなく、弓を用いた遠隔攻撃を中心に組み立てたビルド、通称狙撃型の〈暗殺者〉。
近接型に勝るとも劣らないダメージ出力と、広い視界による戦闘指示を組み合わせて大規模戦闘をリードする若きギルドマスターである。
今回はシロエの依頼により合流。〈シルバーソード〉というアキバ有数の大規模戦闘ギルドをひきいて、シロエの計画成就のために力を貸す。だが、いつも不機嫌そうなその表情から、彼の内面を知るものはほとんどいない。
――死ぬと色々判んだよ。自分の下手くそとかセコいとことか、つまんねーとことか。百回死ねば、百回判んだよ。それが辛くて続かねえんだよ。
名前 | デミクァス |
レベル | 93 |
種族 | ヒューマン |
職業 | 武闘家《モンク》 |
HP | 16385 |
MP | 4627 |
ギルド〈ブリガンティア〉の統率者にして〈武闘家〉。
本編最序盤にてススキノの街を恐怖で支配しかけていたこの男も、激動とも言える情勢の変化により暴力自慢のチンピラにまでその地位を落としてしまった。
それもこれも腹黒眼鏡と猫の〈盗剣士〉が悪いのだとばかりに、復讐と復権のために日夜身体を鍛える毎日。〈シルバーソード〉の下請けとして大規模戦闘にも参加して、じわじわとレベルも上がっているようである。
今回はひょんな事から再びシロエ一行と相まみえることになる。
過去の罪とどう向き合うか、シロエとの決着はどうするのか、デミクァスの苦闘はまだまだ続く。
――俺だってあれからちっとはレイドアイテムを手に入れたっ!
名前 | てとら |
レベル | 93 |
種族 | ヒューマン |
職業 | 施療神官《クレリック》 |
HP | 11387 |
MP | 9731 |
通りすがりの宇宙で一番可愛い〈施療神官〉。
細い身体に愛と勇気と希望と食い気とイタズラ心とドヤ顔を詰め込んで、布教活動に余念がない銀河系アイドル(広域指定旅芸人)である。
旅の途中のシロエ一行、特に直継に懐き、その身体によじ登ることに独特の優越感を感じたようで、金属鎧をコンサートホールのお立ち台だと勘違い中。
不景気な顔をしたファンを元気づけるために、笑顔と歌(不得意)を届けるために大規模戦闘に参加する。
ファンかどうかはてとらの主観で決定されるために、世俗の凡愚に拒否権はない。
――い、いってないよ? ボクうんこだなんて言わないよ。お口が汚れちゃうよ。ボクは正統派美少女銀河系アイドル。ボイジャーも裸足で逃げ出すほど外宇宙だよっ!