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アキバの街の日曜日
次の敵は、モンスターより手ごわい「人間」。
その攻撃目標は、〈円卓会議〉というアキバのシステム。
剣と魔法ではない、情報戦の応酬がはじまる!
腹ぐろ眼鏡シロエは、この危機をどう乗りきるのか!?
カラシン
若旦那は、度量よし、気風よし、お人よし
名前 | カラシン |
レベル | 90 |
種族 | ヒューマン |
職業 | 召喚術師《サモナー》 |
HP | 7698 |
MP | 11866 |
アキバ三大生産系ギルドのひとつ、〈第8商店街〉を取りまとめる俊英。市場の空気を読み取る嗅覚と、交友関係の広さからくる情報を武器に、「生産」よりも「流通」を重点とするギルド運営を行なっている。その為〈第8商店街〉は他のギルドに比べると高難易度クエストを必要とするレシピの保有数では劣っているが、一般的なプレイヤーに需要の高いアイテム類の供給では他ギルドよりも優位にあり、価格も安定している。
またMMO プレイヤーとしての経歴は他の大手生産系ギルドのマスターと比べれば浅いものの、人付き合いのよい性格と判断の早さ、手際の良さで一気に〈第8商店街〉を大手の一角へと引き上げた才覚は本物だ。
レベルは90だが戦闘系ギルドではないので、大規模戦闘の経験はさほど多くない。現在ではギルドホールから指揮を取ることが多いようだ。
――客は商品より大事にあつかえ。縁と評判は、金で買えないんだからな。
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[八岐大熊手]
《やまたおおくまで》
一応杖に分類される先端が8つに分かれた長柄武器。モンスターを倒した際にドロップする、お金が増加する珍しい秘宝級アイテム。普段はギルドホールに飾られているらしい。
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[幸運竜の帽子]
《ラッキードラゴン-ぼうし》
幸運羽竜のレアドロップアイテム「幸せの冠羽」を素材として〈裁縫師〉が作成する製作級防具。装備者の移動速度と回避性能が上昇する。
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[マリョーナの鞍袋]
《-サドルバック》
レベル80クエスト〈マリョーナの漆黒の馬〉の報酬として魔女マリョーナから受け取る魔法の鞍袋。「ダザネックの魔法の鞄」よりも大容量をおさめられるが、移動速度は低下するため、通常騎馬に装着して使用する。
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名前 | アイザック |
レベル | 90 |
種族 | ヒューマン |
職業 | 守護戦士《ガーディアン》 |
HP | 14009 |
MP | 6768 |
ヤマトサーバーに数あるレイド攻略ギルドの中でも、少数精鋭を旨とする〈黒剣騎士団〉のギルドマスター。職業は守護戦士。幻想級装備である〈ソード・オブ・ペインブラック〉を最初に入手したことにより”黒剣”の二つ名を得た、サーバー内でも有数の有名人。
当人は明快かつ率直な性格をしており、その歯に衣着せぬ物言いは好き嫌いの分かれるところだが、大手レイドギルドを率い、数々の武勲を立てる実力に関しては誰もが認めるところである。
口が悪いために敵意を買いがちであり、特に親しくない年長者からは、余計な騒ぎを起こす乱暴者として嫌われている。しかし当人は世間の評判などどうでもよく、気の合う仲間達と楽しくやれればそれで満足であるらしい。そうした態度が外部からは時に傲慢とも取られ、排他的なエリート主義の廃人ギルド呼ばわりされる要因でもある。
――行くぜ野郎ども! ド派手にブチかますぞ!
シロエに影のように付き従い常にその身を守る、美少女〈暗殺者〉。
人見知りをする性格なのか、〈記録の地平線〉以外の人間がいる場所ではあまり喋らないために、余計に「シロエ直属の暗殺者」もしくは「シロエお手つきの美少女」だと思われている様子。アキバにおいては、彼女の評判も十分危ない。
もっとも本人はやっと手に入れた自分の居場所〈記録の地平線〉に満足しているのか、気にしていない様子。
物理攻撃職中、最高の攻撃力を誇る〈暗殺者〉として、彼女は一般的な〈冒険者〉の中でかなり上位の実力をもっている。しかし、ソロプレイヤーとして時を過ごしてきた彼女は大規模戦闘の経験がなく、当然大規模戦闘からもたらされる幻想級のアイテムを所持していない。一流の下限であり、超一流ではない。そこに痛みを覚えているようだ。
主君シロエのそばでいつまでも過ごしたいと願う、コンプレックス多き彼女の未来はどっちだ?
――主君。出よう。これは男女で出場すればなんと無料だ。
〈円卓会議〉設立の立役者にして、アキバ随一の策士として知れ渡ってしまった苦労性の〈付与術師〉。周到に下準備をしないと気がすまない性格と、吹っ切れたときの行動力、そしてここ一番で結果を出してきた事実とが見事に噛み合ってしまい、〈円卓会議〉における最大級の厄介事をことごとく引き受ける位置に就いてしまった。
さらには美少女の護衛や女子中学生の弟子などにかこまれていることも、あらぬ噂をかきたてるひとつの要因となっている。
本人は〈記録の地平線〉ギルドホームでの事務作業に毎日追われ、同じギルドの仲間たちと過ごす時間が少ないことに心を痛めているわけだが、その本人の自己評価とは裏腹に、アキバでの腹黒評価と、一部ギルドメンバーからの好感度メーターは上昇中。
――今日も、勝率、落としそうだよなぁ
〈記録の地平線〉に所属する双子の姉のほう。職業は〈神祇官〉。
シロエを目標と定め、磨き続けてきたその戦闘技能は〈チョウシ防衛戦〉を経てさらに研ぎ澄まされ、レベルも中堅冒険者と呼んでよいほどに成長した。もっとも、本人は自分の行使している技術にたいする自覚が薄く、そのあたりもシロエに似てしまったようだ。
〈記録の地平線〉年少組――弟の〈武士〉トウヤ、〈吟遊詩人〉の少女五十鈴、〈妖術師〉のルンデルハウスなどとともに研鑽の日々を送っているが、そこは女子中学生。技術は成長しても、まだまだ自分の中の揺れる想いを抑えることは難しい。憧れを糧にシロエの背中を目指す曇りなき少女。
――綺麗ですよね、わくわくですよね!
沸き立つアキバの雰囲気に、アカツキ、ミノリはシロエを誘い出してのデートを決意。しかし、くすぐったいはずの秋の休日は、何者かの介入によって意外な事態に……。
結構書き直しちゃったログ・ホライズン5巻!