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ゲームの終わり【下】

ダンジョン攻略と宮廷での交渉。
──〈アキバ〉の街を離れ繰り広げられる、ふたつの「チーム戦」!!

一難去ってまた一難。
ザントリーフに迫り来るのはゴブリンの侵略部族。
〈大地人〉との交渉はどうなるのか? 新人パーティーたちの運命は?



クラスティ

“狂戦士”の二つ名を持つカリスマギルドマスター

名前クラスティ
レベル90
種族ヒューマン
職業守護戦士《ガーディアン》
HP13871
MP6847

アキバ最大の戦闘系ギルド〈D.D.D〉のギルドマスターにして二つ名“狂戦士”をもつ〈守護戦士〉。 多種多様な武器を使いこなす〈守護戦士〉だが人気のスタイルは長剣と盾の組み合わせである。クラスティは一風変わった斧を中心にしたスタイルで戦う〈狂戦士〉であり、攻撃に重点をおいた戦闘能力は凄まじい。日本を代表する攻略ギルドを率いていた彼は、間違いなく日本人プレイヤーの中で最も有名なひとり。
外見は体格こそよいものの落ち着いて知的な風貌である。しかし戦闘となれば悪鬼の如き素顔をあらわにすると近しいメンバーからは評されている。
〈大災害〉後は〈D.D.D〉のギルドマスターとして〈円卓会議〉11ギルドマスターとなり、対外的にはその議長をも務めている。

――今日はなまけの虫はいいんですか?

[鮮血の魔人斧]
《せんけつ-デモンアックス》
90レベルで装備可能な幻想級両手斧。攻撃による敵愾値上昇に補正があり、モンスターを一身に引きつける。現在確認されている装備のなかでも最大級のダメージを誇り、多くの〈冒険者〉にとって憧れのアイテム。
[死せる戦士の鎧]
《エインヘリアル-よろい》
戦乙女に導かれ〈神々の黄昏〉に向かう勇敢な戦士だけがまとうことを許されるとされる、黒檀鋼の幻想級全身鎧。装備者の筋力と耐久力を大幅に上昇させ、対巨人族、対不死族からの属性攻撃を軽減する。
[再度の業怒]
《レイゲン》
〈狂戦士〉特技の再使用規制時間をキャンセルし能力の再使用を可能とする石細工の腕輪。死亡時に十数秒間、狂乱状態で延命を図る常動効果を備える。略称は「レイジ・アゲイン」から。


レイネシア

圧倒的人気を集める、儚げで可憐な大地人の姫君

名前レイネシア
レベル12
種族ヒューマン
職業貴族
HP909
MP455

マイハマの街を治めるコーウェン公爵家の姫君。〈大地人〉。長い銀髪に、華奢な首筋。全体的にほっそりとした印象の美少女。特にたれ目の瞳は濃い青灰色で神秘的な愁いをたたえ、儚げで瑞々しい美貌をもつ15歳。東ヤマトでもっとも美しい少女として、多くの〈大地人〉貴族、騎士、文官からの崇拝を一身に集めている。「イースタルの冬バラ」などと呼ばれることも。
本人は自覚していないが天性のカリスマを持ち、幼少の頃から市民の間での人気は非常に高かった。マイハマの都では現領主セルジアッドの直系として期待されているが、セルジアッドの過保護もあって、この年令まで結婚の話は出ていないようである。

――じゃぁ、シルクのドレスシャツに、キルトのハイランドスカートとか……。

[白奢樹の指輪]
《しらしゃじゅ-ゆびわ》
白奢樹を編んだ輪に淡い薔薇色の石をあしらった玩具の指輪。貴族の社交界では着用できないがレイネシアのお気に入り。危難を避けるいわれがあり。代々母から娘へと受け継がれてきた。
[水晶羽根の自鳴琴]
《クリスタルトーン-オルゴール》
ミスリルの円盤と水晶の羽根で作られたオルゴール。古アルヴ族の魔法によって動いていたが、滅亡と共に動力が失われた。人の手によるゼンマイ仕掛けで、在りし日の曲を奏でる。
[桜薔薇のドレス]
《ブロッサムローズ--》
薄桃色の生地が重なりまるで薔薇の花弁のような裾が美しいドレス。一枚一枚の生地の色が微妙に違い、見る角度による変化が見るものの目を奪う。なお着用者の着心地は一切考慮されていない。


エリッサ

レイネシア姫を支えるつっこみメイド

名前エリッサ
レベル14
種族エルフ
職業エルダーメイド
HP629
MP589

レイネシア姫付きの侍女で〈大地人〉。没落した下級貴族の出身であり、礼儀作法を心得、有能であるためにこの地位に抜擢された。濃いはしばみ色の髪に黒い瞳。体型はスレンダー。本人もなかなかの美女なのだが、レイネシアに側近く使えているためにまったくその実感がわかないらしい。
レイネシアに使える侍女の中では筆頭であり古参でもある。そのためレイネシアからの信頼も厚く、公の場でなければ気やすい口調で話すようだ。不安でいっぱいな主人の将来を考えて、胃の痛い毎日を送っている。そのため婚期は見逃しっぱなしである。

――全く。美人っていうのは始末に負えないわー。ほんと。

[透かし編みの日傘]
《レース-ひがさ》
細かい糸できめ細やかに編まれた華やかな日傘。〈五月事件〉以降レースを用いたものが開発され流行している。高貴な人物を過酷な日差しからまもる従者の必需品。
[家妖精のハタキ]
《ブラウニー-》
家妖精ブラウニーからクエストのお礼としてもらえる魔法の掃除道具。使用すれば一部のサブ職業の行動を助けNPCにプレゼントすれば好感度が上がる。エリッサがこれを誰から贈られたのかは謎。
[メイド服]
イド用の制服一式。〈大地人〉が用いるものもあるが、エリッサが最近着用しているのはサブ職業のメイド専用の特別な防具である。愛用の理由は、着心地と丈夫さらしい。


ソウジロウ

シロエの友人はハーレムメイカーの正統後継者

名前ソウジロウ
レベル90
種族ヒューマン
職業武士《サムライ》
HP13624
MP6807

アキバの中でも有名な戦闘系ギルド〈西風の旅団〉ギルドマスター。大規模戦闘攻略を目標に掲げるギルドは数多いが、先行者利益が大きなこの分野において、新興団体〈西風の旅団〉をひきいて戦果をあげる有能なリーダーである。〈放蕩者の茶会〉出身で、シロエやにゃん太、直継とは旧友の関係。職業は〈武士〉でサブ職業は、ヤマトサーバーでも珍しいレア職業〈剣聖〉。
童顔でやわらかい表情をした青年で、女子からは非常に人気がある。ハーレム体質と揶揄されることもあり、自身のギルド〈西風の旅団〉内外にまたがる「ソウジロウ親衛隊」が組織されるほど。本人も自覚はあるらしく笑ってごまかすこともしばしば。
現在は〈円卓会議〉11ギルドマスターのひとり。

――こちらは1500もいれば、殲滅は可能です。

[神刀・孤鴉丸]
《しんとう-こがらすまる》
幻想級の強力な武器。〈武士〉専用装備であり入手は非常に困難。強力な攻撃力に加え、AI型アイテムであり使用時には特殊召喚された刀の化身が戦闘を支援してくれる。
[天変万化の蜻蛉玉]
《てんべんばんか-とんぼだま》
さまざまにに色を変える蜻蛉玉をあしらったに魔除けのタリスマン。クエスト『輝夜問答』の報酬品であり、80レベル以下の移動禁止攻撃に対して高い耐性を得る。
[新皇の武者鎧]
《しんのう-むしゃよろい》
古代の英雄が用いていたとされる〈武士〉専用防具。非常に高い物理防御能力と、各種ステータスに対するボーナスは幻想級の名にふさわしい。呪いを吸収する特殊能力を持つ。


高山三佐

リーダーを支えるクール系軍人お姉さん

名前高山三佐
レベル90
種族狼牙族
職業吟遊詩人《バード》
HP8040
MP12237

大規模戦闘ギルド〈D.D.D〉メンバーのひとり。同ギルド所属のリーゼ、現在は脱退した女性〈冒険者〉などとともに三羽烏と呼ばれいた、ギルド運営補佐のプロフェッショナル。女性にしては比較的長身で、黒髪を短く揃えている。整った容貌なのだが目付きが異常に鋭く威圧感があることと謹厳さを要求する軍人的な言動から、ギルド内の(特に男性メンバーからは)恐ろしげなイメージを持たれている。軍服風の皮装備を愛用。手持ちの武器は、軍用両手鎌。
現実世界では保育士であり、実は性格もさほど変わらない。園児たちから圧倒的な尊敬を集める軍曹的なカリスマ保母さんである。

――2時方向に大規模集団。および9時方向に敵攻性部隊、総数18以上。大型魔獣2。

[カラミティ・ハーツ]
一振りであらゆる災厄を引き起こすとされる死神の大鎌。高いクリティカル率に複数回攻撃の追加効果をもつ凶悪な武器。性能だけでなく禍々しくも神々しいデザインでユーザー人気の高い希少品。
[赤竜角のタクト]
《ドラゴンホーン--》
赤竜の角で作られた指揮棒。〈吟遊詩人〉用の高位製作級アイテム。同レイドのメンバーが使用する援護歌の効果を引き上げる。通常のパーティ戦では使いづらいが大規模戦闘で真価を発揮する。
[糸銀編みの鎧下]
《しぎんあ-ギャンベゾン》
〈細工師〉が作る〈珊天蝶の繭糸〉と〈鍛冶屋〉が作る〈銀の細糸〉を素材に〈裁縫師〉が作成する製作級防具。希少な素材と複雑な工程を必要とするアイテムだが、そのぶん軽く丈夫で、魔法耐性に優れる逸品。
© Touno Mamare 2014