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ゲームの終わり【上】

ダンジョン攻略と宮廷での交渉。
──〈アキバ〉の街を離れ繰り広げられる、ふたつの「チーム戦」!!

ログホラも3巻目になりました!
今回活躍するのは新人パーティー。ミノリ、トウヤ、セララ――さらに新キャラクターの五十鈴にルディ。シロエたちが〈大地人〉との交渉に臨む一方、彼ら新人パーティーはダンジョン攻略へと挑みます!
今回はダンジョン攻略MAPにモンスター図鑑まで付属で大増量。


五十鈴

そばかす、おさげ、音楽好きの女子高生

名前五十鈴
レベル24
種族ヒューマン
職業吟遊詩人《バード》
HP1778
MP1832

地方在住、音楽好きの普通の女子高生が、ひょんなきっかけでネットゲームをはじめたところ〈大災害〉に巻き込まれてしまった。それが五十鈴である。
背は高く痩せ型。そばかすが多く、太めの明るいブラウンの髪を三つ編みにしている。深く考えるのは苦手。陽気でちょっとおしゃべりだが、雰囲気には敏感。美人ぞろいの〈エルダー・テイル〉世界では地味な風貌である。
音楽好きの両親から生まれて家庭でも音に囲まれて育った五十鈴は、高校でも吹奏楽部に所属。音の出るものはなんでも好きだが、現実世界ではウッドベースを愛好。〈吟遊詩人〉にしては珍しい両手槍を扱うが、これは父親の所持するビデオコレクションにおけるロックスターの影響。アンプにギターを叩きつけて壊すプレイを格好良いと思ったため。

――よしてよ。そんなっ。たいしたものじゃないんだし。

[遠吠えの槍]
《ハウリング・スピア》
コボルトリーダーから入手することができる魔法級両手槍。接頭詞である「遠吠えの」は吟遊詩人の近接攻撃特技ダメージをわずかに上昇させる効果をもっている。
[胡桃飾りの帽子]
《くるみかざ-ぼうし》
クエスト「調律師の悩み事」に登場するモンスター、ナッツイーターがドロップする装備品。色合いがおしゃれなので五十鈴のお気に入り。防御力は低め。
[三日月のリュート]
《みかづき--》
木工職人でもあるマリエール作のギターに似た弦楽器。元ハーメルン所属の新人プレイヤーたちのために、三日月同盟のメンバーが用意した手作りアイテムのひとつ。五十鈴は毎日のようにさわっている。


ルンデルハウス

わんこ体質の王子様は妖術師

名前ルンデルハウス
レベル23
種族ヒューマン
職業妖術師《ソ-サラー》
HP1321
MP2109

ギルド未所属の中レベル〈妖術師〉。五十鈴いわく「王子様のような」軽くウェーブしたブロンドの髪と紺碧の瞳をもつ、古典少女漫画風ハンサム。
非常にプライドが高く、その発言は時として傲慢に聞こえるが、けっして悪気があるわけではない。自分の職業である〈妖術師〉には大きな誇りを感じており、攻撃職として「ダメージを与えること」に強いこだわりを見せる。その様子は性格と相まって、ナルシスティックな印象をあたえることも。ただし、頭の出来は決して良いわけではなく、頭脳職というよりは熱血型で、トウヤと意気投合する。五十鈴にいわせれば「わんこ」。
装備は〈妖術師〉らしく、杖とローブ。

――そうさ。僕らは冒険者だ。ここで逃げ出してはなんのために冒険者になったかわからない。

[見習い魔術師のローブ]
《アプレンティス--》
このレベル帯の装備としては高性能だが、装備レベルが「30以下」という特殊な仕様の初心者サポート防具。そのためルンデルハウスは一刻も早くこんな半人前の証のような装備を卒業したいと思っているようだ。
[羽毛の指輪]
《うもう-ゆびわ》
軽量化の魔法で荷物を軽くし、積載量を増やす魔法の指輪。持てる荷物の量を増やすためには筋力増加のアイテムの方が効率がよいため、こちらは捨て値で取引されており、初心者の懐にも優しい。
[天使のブラシ]
《てんし--》
何回かなでるだけで、どんな毛並みもつやつやになる魔法のブラシ。本来、騎乗動物やペットに使い信頼度を上げるための道具なのだが、ルンデルハウスはそうとは知らずに愛用している。


小竜

ギルドを護衛する高校生剣士!

名前小竜
レベル90
種族狼牙族
職業盗剣士《スワッシュバックラー》
HP10408
MP8943

〈三日月同盟〉所属の狼牙族〈盗剣士〉。ギルドマスター、サブマスター共に「戦闘系」とはいえない〈三日月同盟〉において、狩りの指揮をとるなど戦闘班長という立場にある。中のプレイヤーはリアル高校生で面倒見の良い性格。〈三日月同盟〉の中でも親しみと敬意を受けている模様。本人は直継を尊敬しており、シロエなどからは「シモネタ以外を参考にすべき」とツッコミを受けている。
小竜は〈盗剣士〉二刀流アレンジの中でも「ロングソード」二刀流、なかでも「直剣」といわれる中華風の双剣をもちいる。にゃん太の用いるレイピア二刀流にくらべて攻撃速度では劣るが、防御能力では勝る。低レベルの仲間が多い〈三日月同盟〉のなかで、擬似タンク役をこなすための選択だろう。

――マリエさん、下がって!! 近隣キャンプに散らばってるグループを呼び集めないと。急いでっ!!

[雷爪風牙]
《らいそうふうが》
盗剣士専用の直剣。正確にはふたつのアイテムだがセットボーナスがあるために愛用者は同時に装備することが多い。狼牙族が使用する場合のエクストラ効果があり、クリティカル時与ダメージが上昇する。
[武侠の革鎧]
《ぶきょう-かわよろい》
物理防御性能に重きをおいた製作級防具。その分、特殊能力や、各種属性攻撃に対する抵抗能力は低め。クエストで入手する飛竜の革を用いるのだが、難易度はさほど高くないために入手は容易。
[乳狼の首飾り]
《にゅうろう-くびかざ-》
インペリアルジェイドのネックレス。中央のひときわ大きな玉には、野原に棄てられた赤子に乳を与えたといわれる、伝説の牝狼の姿が彫られている。同パーティ全員の食物系回復アイテムにボーナスあり。


リ=ガン

ヲタク気質の大地人魔法学者

名前リ=ガン
レベル28
種族エルフ
職業魔法学者《ローアマスター》
HP1624
MP2721

〈大地人〉の魔法学者。ゲームとしての〈エルダー・テイル〉公式設定にも登場する〈ミラルレイクの賢者〉を世襲しており、〈大地人〉の中でもかなり高い教養と知識を持ち、各種事情にも明るい。〈エターナルアイスの古宮廷〉地下深くに秘密の書斎を構え、そこで魔導書に埋もれて暮らしている。
賢者という言葉のイメージとはうらはらにまだ若く、外見年齢だけでいえばシロエたちと大差がない。もっとも書庫ぐらしが長くひきこもりであるために、目の下にクマがうき、不健康そうな痩せ型である。衣服にも全く頓着がないために、奇人変人の類に見えることは間違いがない。

――わたしの名前はリ=ガン。先ほどは魔術師を名乗りましたし、魔術も使えるのですが、正確にいうと魔法学者です。

[よれよれローブ]
着古した古いローブ。リ=ガンは換えのローブを持っていないわけではないのだが、面倒くささからかほとんどこのローブしか着ていない。人前に出る機会の少ないリ=ガンは余り不都合も感じていな いようだ。
[年輪の書]
《ねんりん-しょ》
歴代のミラルレイクが記した研究に関する覚書。ミラルレイクに伝わる暗号で描かれており一般人には読むことができない。先代ジェレド=ガンが一部の記述を削除したため、いまでは失われた内容もあるようだ。
[蛍の燭台]
《ほたる-しょくだい》
持ち主の要望に従い、明るさを変えてくれる便利な照明アイテム。この種のアイテムは生産系の冒険者が作るアイテムとしては比較的メジャーだが、愛用する大地人はまだ多くない。


セルジアッド公爵

東ヤマトを代表する英明なる大貴族

名前セルジアッド公爵
レベル19
種族ヒューマン
職業貴族
HP1734
MP912

セルジアッド=コーウェン。マイハマの都を治める〈大地人〉貴族。公爵とはヤマトにふたつしか存在しない大貴族である。また、マイハマの都は〈自由都市同盟イースタル〉にある数多くの大地人都市のなかでも最大規模を誇り、コーウェン家は〈自由都市同盟イースタル〉の筆頭領主となっている。領民からも慕われる有名な英君であり、領地を繁栄に導いてきた。今回のアキバとの会談では中心的な役割を果たす。
私人としてのセルジアッドは家族を愛する一人の老爺である。しかし、私人として家族の幸せを願うことは、公人として〈自由都市同盟イースタル〉に繁栄と安定をもたらすための行動と時に矛盾することもある。その狭間で悩み苦しみながらも力を尽くしてきたセルジアッドは、東ヤマト最大の貴族の名にふさわしい。

――わたしの名前はセルジアッド=コーウェンだ。〈自由都市同盟イースタル〉の取りまとめを務めさせて貰っておる。

[藍竜鱗のマント]
《らんりゅうりん--》
海竜プレシオーサの鱗をもちいた金糸銀糸で飾られた、豪華なのガウンマント。海を望むマイハマの領主に代々受け継がれている。津波を鎮める力があると伝えられているが真偽は不明。
[四葉の栞]
《よつば-しおり》
かつて孫娘から贈られた四葉のクローバーを栞にしたもの。劣化しないように魔法で保護されている。孫たちの将来を想うたびに取り出しては眺めるが、なかなか良いアイデアは浮かばない。
[転送石]
《てんそうせき》
瞬間移動呪文を封じた魔法石。魔法の素養がなくとも使用できる使い捨てアイテム。突発的な事故や襲撃に備えて緊急避難用に携帯しておくのが大地人VIPのたしなみである。
© Touno Mamare 2014