中堅プレイヤー支援ギルド〈三日月同盟〉のギルドマスター。
明るく向日葵のような印象の、関西弁を使うお姉さん〈施療神官〉。分け隔てなく接するその態度で、ゲーム内では男女を問わずファンは多い。
〈施療神官〉は回復職のひとつ。〈反応起動回復〉と呼ばれる特殊回復呪文をはじめ、多数の回復呪文を操る、回復のエキスパートともいえる。もっともマリエールは、大規模戦闘などを行なう一流ギルドの同職と比べると、実戦経験は少ない。
２４人のメンバーを抱えるギルドのリーダーとして責任を負うマリエールは、大混乱に陥ってしまった異世界の中で、ユーモアを忘れずにがんばっている。

──やっぱうち年増やんね。……もう不良在庫やんね。だから直継やん不良になってしまってん。うちに逆らうんよ？

主人公シロエの古くからの親友の〈守護戦士〉。同じく〈放蕩者の茶会〉出身の陽気でタフな青年。新社会人になったことにより、一時〈エルダー・テイル〉を休止していたが復帰当日に〈大災害〉に巻き込まれた。
〈守護戦士〉は防御能力と、他者をかばう能力、盾の使用能力に特化した戦士職のひとつ。敵を引きつける能力は高く、前線での防御能力とあいまって、鋼鉄の盾という異名を持つ。
直継はシロエの親友として数々の戦場の先方を務め、そのめげない性格でムードメイカーとしても活躍して行く。

──これって、俺たちにマズメシを食わせ続ける神様の拷問部屋なんじゃね？

伝説的なプレイ集団〈放蕩者の茶会〉において参謀役をつとめていた思索派の〈付与術師〉。中身は引きこもりぎみのハードコアゲーマー大学生。
〈付与術師〉は他者の能力を増幅する付与呪文と、モンスターの行動を阻害する妨害呪文に特化した、支援型の魔術師である。応用範囲が広い技術を持つ代わりに、魔術師にもかかわらず、魔法攻撃力は最底辺となっている。
歴戦の古参プレイヤーであるシロエは、貧弱な攻撃力を、ゲーム内の知識と先見性で切り抜けて行くこととなる。

──でも、目を逸らしちゃダメだ。……と思う

燕のような印象を与える、小柄な美少女〈暗殺者〉。〈大災害〉以前は性別を隠して寡黙な男性〈暗殺者〉として〈エルダー・テイル〉をプレイしてきたが、ゲームの世界に飲み込まれたあとは現実世界と同じ姿を取り戻して活動を続ける。
〈暗殺者〉は一撃必殺に特化した大ダメージ型攻撃職。必殺技〈アサシネイト〉は〈エルダー・テイル〉中でも最大級の物理ダメージを発生させることが出来る。その分、敵の注意を引くことが多く、それがチームプレイ上の課題だ。
言葉数の少ないアカツキだが、自分を助けてくれたシロエを「主君」と呼んで慕ってゆくことになる。

──主君。バカ直継を蹴ってもよいだろうか？

〈三日月同盟〉所属の少女〈森呪遣い〉。現実世界ではライトゲーマーで生産を中心としたほのぼのゲームをおこなうために〈エルダー・テイル〉を開始したが、大災害に巻き込まれてしまった。
〈森呪遣い〉は、〈脈動回復〉と呼ばれる特殊回復呪文を中心に、攻守の魔法をバランス良く備えた遠距離型回復職。セララはまだゲームを開始してから日が浅いために、レベルがひくく、まだ初心者からようやく脱出した程度だが、ゆくゆくは自然の諸力を借りる呪文を操るようになって行く。
おっとりした性格のセララは、〈大災害〉の当日、アキバの街からはるかに離れた北の地にいたため、仲間とはぐれて大変な危難に直面することになる。

──そんなことはないですっ。はい