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〈ケミカル・モリーブ〉の肉体への影響に関する考察 《けみかるもりーぶのにくたいへのえいきょうにかんするこうさつ》
【概要】
本研究では、ロデ研試作ポーション86号、通称〈ケミカル・モリーブ(以下〈C.M〉と記述)〉が〈冒険者〉の肉体に及ぼす影響が多岐に渡ることから、影響の法則性を確かめるため、複数の被験者に〈C.M〉を服用させた。
被検者4名に生じた一時的な身体変容はそれぞれ、「マスコット化」「少年化」「女体化」「変化なし」というものであった。
〈C.M〉には、服用者が平時抑圧している精神的傾向を身体特徴として表出させる効果を持つ可能性が示唆された。
 以下に経緯と詳細を記述する。

【問題と目的】
〈西風の旅団〉ギルドメンバーによる治験の際、(レシピに関する記述は黒塗りにされている)で作成された薬品を服用したF=O嬢(エルフ・女性・〈森呪遣い〉)に、筋力ステータスの増強、全身の筋肉の肥大といった影響が見られた。

このことから、筆者は当該薬品を〈モリモリマッチョA〉と命名。
レイド等高難度クエストにおける戦士職、武器攻撃職向けの消費アイテムとして有効であるとして、製品化に向けて治験を進めた。

しかし、第二被験者であるA氏(ヒューマン・男性・〈守護戦士〉)がレイド直前に当該薬品を服用したところ、筋力アップ、筋肉肥大の効果は一切見られず、体長30センチほどのぬいぐるみめいた赤いハリネズミ状のマスコットキャラに変身した。

このため、筆者は試作ポーション86号を〈ケミカル・モリーブ〉と改名。効果の再現性を確認すべく、複数の〈冒険者〉に再度治験を行なうこととした。

【方法】
被験体3名に〈C.M〉を服薬させ、身体的な影響を観察する。

【結果】

「シロエさん、治験に協力を……」
「お断りします」
「今日の円卓の書類、私が処理を……」
「引き受けます」

S氏(ハーフアルヴ・男性・〈付与術師〉)
服用後、身体が縮み、ローティーンの容姿に変容。
また、言動にも退行の様子が見られ、記憶も混乱しているようであった。

「ソウジロウさん、治験に協力を……」
「はいっ。僕でよければ!」
「ですよね。怪しいですもんね。では、今度のレイドでアイテム融通しますのでどうか……え?」
「僕でよければ! 何飲めばいいですか?」

S=S氏(ヒューマン・男性・〈武士〉)
服用後、元の面影を残したまま女性化。
元の記憶は失われるも、本人に危機感なし。

「高山さん、治験に協力を……」
「お断りします」
「うちのミカカゲの新作ケーキがあるのですが……」
「さあ何を飲めばよいですか? 可能であれば甘味のフレーバーが望ましいです」

T氏(狼牙族・女性・〈吟遊詩人〉)
服用後、身体変容なし。記憶の混乱等もなし。

その他、〈円卓会議〉のメンバーに治験を依頼するも、アイザ……A氏があることあること触れまわったせいで協力が得られず、これ以上の実験は断念せざるをえなかった。

【考察】
サンプル数は少ないものの、性別差による影響はないものと推測できる。被験者のパーソナリティから鑑みるに、本人の抑圧している精神的傾向、特性といったものが身体変容という形で顕在化しているのではないか。
興味深い結果ではあるが、身体のみならず記憶……魂魄両面に作用する薬品であるため、〈魂魄理論〉の研究が進むまで試験薬86号〈C.M〉の製品化は一時凍結。
効果が確認できた5名が承諾したときのみ服用を認めるものとする。

 ◇  ◇  ◇

「本人が隠したい一面を暴くポーション……えげつないすね」
「アイザックさんは可愛げ、シロエさんは幼さ、ソウジロウさんは女々しさ? 高山さんは何を隠すこともなし……。オリーブさんは、なんでまたあんな効果の発現の仕方をしたのでしょうねえ」
「知らないんすか? ロデさん。オリーブさんっていったら、もともとゴリゴリの野良レイダーじゃないですか。根っこの脳筋ゴリラっぷりを隠したかったんでしょう」
「〈西風の旅団〉は戦闘系ギルドでしょ? 脳筋を恥じることなんて全然ないじゃないですか」
「惚れた男の前で不自然に猫かぶっちまうなんて、カワイイじゃないすか」
「そんなもんですかねえ。むしろ、ソウジロウさんには、一緒にゴリゴリ戦ってくれる娘さんの方がお似合いな気がしますけど」
「それ、オリーブさんに言ってあげたらどうです?」
「御冗談を。そういうのは、ソウジロウさんの役目ですよ」