ミナミの平和を守るために日夜見回り業務に励む治安部隊〈壬生狼〉。その長であるカズ彦は隊士たちはもとより、ミナミに住む多数の〈大地人〉にも慕われ、多くの支持者を持っている。
そのカズ彦支持者たちの間で今最も懸念されているのが、日々の激務やストレスからくるカズ彦の生え際の後退である。

とくに濡羽とインティクスの確執が「知る人ぞ知る情報」として噂されるようになってからは、これまで以上に深い苦悩の表情でボリボリと髪をかきむしる様子が〈壬生狼〉隊士によって何度も目撃されており、いっそう危機が深まっているといえよう。
この事態に〈壬生狼〉と〈大地人〉の有志が立ち上がり〈壬生の絶対防衛線〉の名の下に、カズ彦の生え際を守るべくさまざまな活動を行なっている。

たとえばカズ彦がなじみの定食屋に行けば、味噌汁にわかめが増量されていたり、いつものメニューに海藻サラダが付け加えられていたり、屯所にもどれば隊士が釣りに誘ってきたり、アキバにいる旧友からは（ＫＲ経由で）「姫さま印の安眠枕」が送られてきたり等々。また、近いうちに「髪長姫（ラプンツェル）の木櫛」を求めて〈クマノ古森林〉への遠征レイドも計画されているそうだ。
果たして彼らの活動は最後の一線を守ることができるのか？　その行く末はかみのみぞ知る……。