〈貂人族〉に属する少女。一族の中ではエリートにあたり「人化の術」をもって少女の姿を取ることができる。
小柄な童女の姿に、貂の愛らしい丸耳。漢服に羽衣を組み合わせた色鮮やかな女官衣装をまとう。性格は世話好きでまめまめしく、多少四角四面だが寂しがり屋の一面も。人間界の美味しい食事に魅了されている。
花貂の一族は〈貂人族〉のなかでも「天の官吏」を自認しており、仙境各地に起居している。花貂が〈狼君山〉の廟に住んで、そこの主たる仙人に使える侍女のような存在だった。
――しかしこの〈狼君山〉へは長らく仙人は住んでおらず、花貂たちは住み込み従者でありながら館の管理者でもあり、あるいはたまたま廃墟にいついた野生の亜人でもありというような、複雑でありながらも牧歌的で脳天気な生活を送ってきた。そもそも「仙人に仕える」というのも一族に刻まれた命令のようなものであり、花貂は（そして一族の他の個体も）、では実際その仕えるとはどういう仕事なのか？　天の官吏がこなすべき業務とは何なのか？　という知識からかけており、その実際の能力もかなり不足が有る。
Ｅｐ１１においてたまたま〈狼君山〉に住むことになったクラスティを仙人だと信じ（その料理に）心酔。（美味しいものをくれるので）臣従を誓う。天の官吏である自分の存在に疑問をいだきつつも、優しいクラスティに甘えて旅の従者として同行することに。クラスティに対する呼びかけは「仙君しゃま」。