〈白翼姫〉の二つ名を持つ〈翡翠騎士団〉に属する古来種の女騎士。
深い紺碧色した長く編んだ髪にどこか幼さをかもしだす切れ長の瞳、肉付きの良さもうかがわせるスラッとした肢体に機動性に重点を置きつつも格調高く白銀に輝くドレスアーマーを身にまとう。
その細身の身体には不釣り合いな巨大なヘビーウォーハンマー〈天球の欠片〉《アトラス・フラグメント》を武器とし、愛馬の天馬で戦場を駆ける。
彼女は高潔な性格と美貌をもち「陰謀に巻き込まれて名誉を奪われ死んだ父の仇を探して倒す」という目的をもつ女騎士であり、ゲーム時代には様々なイベントやメディアなどでも登場している。そのため人気も高く世界的な知名度は〈エルダー・テイル〉の顔とも言われるエリアス＝ハックブレードにも勝るとも劣らない。
だがどちらかというと、ネタ的な意味での知名度の方が高い。これまでの歴史での拡張パックで何度も「前回追い詰め倒した父の仇が実はさらに強大な悪の手のひらで踊っていた手先に過ぎなかった」などということがあり、新しいクエストが追加されるたびに「貴様！父の仇！」や「まさか、バカな！」などの定型句を繰り返し口にしたためと思われる。もっともこれは彼女の過失ではなく、拡張パックのたびに新しいクエストを追加しなければならない点から、仇討ちの旅をいつまでも続けなければいけなくなってしまったというＭＭＯＲＰＧの構造上の問題が原因である。
また手足などもしっかり防具で覆っているのにもかかわらず、胸元と背中が大きく空いていて膨らんだロングスカートに深いスリットが入ったチャイナドレスのようなアーマーを着ているのもあって、ユーザーの間では「クッ殺姫」と言われていた。