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放蕩者の茶会 《デボーチェリ・ティーパーティー》
MMORPG〈エルダー・テイル〉において活動していたプレイグループ。
〈放蕩者の茶会〉と書いて「デボーチェリ・ティーパーティー」と読む。略称は〈茶会〉、〈ティーパーティー〉。ただし名前が正式につけられたのはかなり後期となってからだった。

通常このゲームにおけるプレイグループ(プレイヤーの集団)はゲームの機能を利用してギルドという形態をとるが、〈放蕩者の茶会〉はそうではなく、複数ギルドにまたがった形で、またギルド主導ではない、純然たるプレイヤー個人の自由意志による集まりである。
後にカリスマ的プレイヤーとして知られる、〈放蕩者の茶会〉の主催者カナミが、その場その場でであった他のプレイヤーと組んでパーティーを組む(野良パーティーと呼ばれる)過程で知り合いを増やし、その知り合いで大規模戦闘に出かけてみようという趣旨から〈放蕩者の茶会〉は始まった。
それまでは、通常のパーティー(6名)はともかく、大規模戦闘(多くの場合24名)のメンバーを揃え、訓練を施し大規模戦闘に立ち向かうのは、大手の戦闘系ギルドでなければ不可能であるというのが〈エルダー・テイル〉の常識だった。24名のメンバーに連絡をつけて日時を調整し、定期的な訓練を行うためには固定メンバーでないと難しいと言うのがその理由なのだが、それに比較して同一ギルドの縛りがない大規模戦闘への挑戦は「野良レイド」と呼ばれ、大規模戦闘のお試しや観光はできたとしても、勝利はおぼつかないというのは広く知られていた。
初期の〈放蕩者の茶会〉もその常識に合わせ「普段見ることのできない変わった敵や変わったゾーンを見てみたい」という観光的な目的であちこちの大規模戦闘に遠征していたのだが、メンバー同士の相性が噛み合ったのか、主催者であるカナミの人柄、参謀役を努めていた三人のプレイヤー(インティクス、KR、シロエ)の能力の高さから、幾つかの大規模戦闘で強力なモンスターの撃破に成功してしまう。
これに味をしめたメンバーは難関と呼ばれるゾーンへの遠征を繰り返し、徐々にヤマトサーバーでも有力と呼ばれるレイド集団へと頭角を現していくことになった。

メンバー数は合計で27名であり、これは24名の大規模戦闘において、控えメンバーが3名しかいない(時期により入会と脱退者がいるため、実際には3名の控えすらいない)ということであり、その体制で瞬間的な最高順位とはいえ、ヤマトサーバー三位を記録することは、日本の〈エルダー・テイル〉ファンに大きな衝撃を与えることとなる。
一方で、〈放蕩者の茶会〉は大規模な戦闘ギルドでないために、初期はその存在自体が知られておらず、存在が確認されたあとも長い間正体不明の集団であった。大規模戦闘で入手可能な〈幻想級〉アイテムは一般的なプレイヤーからすれば羨望の的であり、この〈幻想級〉アイテムを入手できるのは大規模戦闘系ギルドの一軍プレイヤー、つまり、エリートだけであるとされていた。そこに突如現れた正体不明のプレイヤー集団による大量の希少アイテム入手の報せは、衝撃とともに大きな嫉妬の対象ともなった。
本編書籍ではぼやかしてあるが、〈放蕩者の茶会〉の知名度の大部分は、その勇名であるというよりは、嫉妬によってばらまかれたデマや悪評が大部分である。

〈放蕩者の茶会〉の名前がまだ明確につけられていなかった頃、この正体不明の集団は匿名掲示板などで粘着の対象となっており、女性リーダーが率いているということから「カナミという女性がゲーム的に卑怯な手段で他のプレイヤーの取り巻きを従え、大規模戦闘を荒らしている」という評価をされていた(この評価は解散まで繰り返し行われることになる)。その粘着質な噂から産まれた命名が〈ハートの女王とトランプ兵〉というものであった。「姫とその奴隷兵」という揶揄的な意味合いをもつ俗称だった。

この時点で〈放蕩者の茶会〉の名称は内部的には存在しなかった。自分たち自身に名前をつける必要性をカナミたちが感じていなかったせいなのだが、この不名誉な名付けに対して何らかの名乗りが必要だと考えた参加者インティクスの発案で名付けが行われることとなり、最終的にはKR案の〈放蕩者の茶会〉が採用されることとなった。〈ハートの女王とトランプ兵〉から「ふしぎの国のアリス」つながりで「気違いの茶会」をアレンジした名称に着地したことになる。
このことからも分かる通り、〈放蕩者の茶会〉は(中にはインティクスなどの例外もいるが)、基本的には大規模戦闘のサーバーランキングや、外部の戦績などには興味がなく、ゲームのエンドコンテンツ(つまり大規模戦闘)を純粋に楽しみたい貪欲なプレイヤーの集まりであった。

大規模戦闘系ギルドとは違った立ち位置でエンドコンテンツに参加したこのプレイヤーグループは、良くも悪くもヤマトサーバーのプレイヤー文化や他のギルドに大きな影響を与えた。
〈死霊が原〉や〈ラダマンテュスの王座〉、〈ヘイロースの九大監獄〉等、サーバの歴史に残る大規模戦闘の先駆け争い行い、憧れるプレイヤーも徐々に増えてはいたのだが、結成から2年で主催者であるカナミの引退と同時に解散することとなった。