セルデシア世界で確認されているサブ職業の一つ。王族や貴族を頂点とする封建社会において、軍事以外の実務を行う主力となるのが〈文官〉だ。封建社会とはいえ、その地域によりその内容は様々だが、〈文官〉の役割は軍事と財務を除いた政策分野全てだといえる。治水や道路、開墾と言ったインフラ整備分野から、技術開発や都市整備、ギルドなどの設置許可、法の交付や実施など、おおよそ社会設計と運用の大部分は〈文官〉の活躍によって成り立っている。多くの国や地方において〈文官〉は方向性こそ異なれ、〈騎士〉と同格の地位を持っている。つまりは、実務を職掌とする貴族社会の末端なのだ。
〈冒険者〉からみた〈文官〉はインクの作成、文書作成、文書保管などの能力を与えてくれるサブ職だ。またハウジングアイテムとして書類棚や書類机を得ることができるなどの特典はあるのだが、肝心の中心能力であるインクや紙の作成と文章筆記においては〈筆写師〉に劣るため人気はさほど高くない。〈文官〉を基点として〈会計士〉〈学者〉〈軍師〉〈交渉人〉〈筆写師〉といった類似隣接分野のサブ職に転職することができるが、それゆえに他の職の下積み以外の理由でこの職を選ぶ者は極めて少ない。