関西を中心に経済界に対する影響力が強い鴻池財閥の当主筋が、祇園の芸者を妾にして生ませた男子。晴秋という名前は母方の祖母の命名で、せいしゅうとも呼ばれていた。
認知は受けていたのだが親戚から疎まれること激しく、母と二人きりで暮らす幼少期を過ごす。その後祖父の加護を受けて名門男子高校からイェール大学に入学。渡米。
カレッジでの生活は、優等生風の外見に似合わず享楽的かつ退廃的だったもよう。
学業成績もよく教養と呼べるものは何でもこなし、人当たりも良いために晴秋をパーティーに招く友人は数多くいたが、本人はさびれたクラブのソファで一人孤独に過ごすことを好んでいたようだ。
卒業後は帰国して、祖父の運転手という名目で自堕落な生活を送っている。祖父や腹違いの義妹（父の本妻の娘）からは好意を持たれており、特に祖父からは一族の幹部の一人という扱いをしたいらしいのだが、親族の声に阻まれて実現はしていない。
マンションに一人暮らし。家事は一通りこなせるのだが、掃除という名目で義妹が時に上がり込むようだ。猫を飼っているという遊びをしていて、この空想上の猫の名前はＮｏｂｏｄｙ（いないよ）。パーティーや不本意なデートを中断して帰るための言い訳として利用されていた。
〈エルダー・テイル〉をしていた理由も望まぬお見合いを断り役立たずを演出するためというのが半分で、残りの半分はやっているうちにできた気の良い仲間に救われてである。
総じて有能をこじらせた怠け者である。