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パプス
最初に目覚める〈典災〉のひとりで治療を支配する〈治癒の典災〉。
高い知能を持つスライム系のモンスターである〈ディジネーション・ワン〉に受肉している。その姿はフードつきのローブで容貌を隠した長身の人型で、外からは骨ばった肉体に見えるローブの中は、黒い沼と同じ色の粘液と無数の触手が詰まっている。足元には肉体の一部であるコールタール状の黒い沼が広がっている。人型には見えるが発声器官は存在せず、足元の沼から立ち上る気泡が弾ける音の連鎖で会話を行っている。
八十九レベルのノーマルランクモンスター。無数の触手を武器とした広範囲への攻撃を得意とする。触手をパイプ替わりに酸で攻撃し、立木を使って枠を作り触手で支えて防御する。また触手をモンスターに寄生させることで、そのモンスターを使役しながら戦闘することによって、格上の相手が数人いても一進一退の戦況を維持することが可能。
性格は理知的で、エネミーである〈典災〉としてのフレーバーに引きずられることを考慮し、慎重に行動する。敵対者について学び、確たる作戦に基づいて行動するも、それが油断となった。
〈降霊術の典災ラスフィア〉と組み、〈ユーレッド大陸〉中央の〈アオルソイ〉で〈灰斑犬鬼〉を集め、〈列柱遺跡トーンズグレイブ〉の破壊を試み成功した。しかしその直後、パプスは旅の〈冒険者〉カナミ一行と遭遇、その一員である〈古来種〉エリアス=ハックブレードの魂を停滞状態に定着させようとするも失敗。その一閃に討伐されたかに見えた。だが実際には分身体を避難させ、今度は〈魔女の典災ブカフィ〉と協力。〈古来種〉葉蓮仙女を名乗り〈狼君山〉の〈電視台〉を狙う。エリアスを誑かしてクラスティやカナミ一行を襲撃させたが、崩壊した〈狼君山〉のダンジョン内でクラスティと一騎打ちの末に討ち取られる。
その権能は「魂を定着させること」であり、魂の修復・治療、すなわちMPの回復などが行える。この能力を〈降霊術の典災ラスフィア〉の「魂を剥ぎ取る」能力と組み合わせることで、肉体である魄を失い、繋がりが切り離された魂を他のアバター……すなわち、モンスターや〈大地人〉に寄り付かせて、一つの肉体が複数の魂の性質を持つ〈二重なる者〉(パラレル・ワン)を産み出す形で応用し〈瘴雷の黒竜〉の動く屍に3,200もの〈灰斑犬鬼〉の魂を寄り付かせ強化していた。