◆ログホラ・ウェンズディ11

エリッサ

 皆様こんにちは、「ログホラ・ウェンズディ」担当のエリッサです。毎週水曜日に更新の「ログホラ・ウェンズディ」の進行とTwitterでの告知を受け持っております。初めての方も、すでにお馴染みの方もよろしくお願いします。

 「ログホラ・ウェンズデイ」は、『ログ・ホライズンTRPG』をより楽しんでいくためのさまざまな情報をお届けして、週末のログホラTRPGライフを盛り上げようというサポート企画です。毎回、データの紹介記事やお便りの紹介などさまざまなコーナーをお届けします。
 皆様からのご意見もどんどん取り入れて、一緒に盛り上げていきたいと考えておりますので、応援をよろしくお願いします。

 いよいよ7月が始まりました。姫様も夏の暑さをなんとかやり過ごそうと冒険者の皆さまからお知恵を拝借しているようです。私はもちろんメイドですので、暑さはへっちゃらです。ちょっと魔法の道具を使ったりしてもそれは工夫というものです。
 それでは今回は「デザイナーズレター」をお送りします。早速参りましょう。

◆デザイナーズレター

 タイトルどおり開発チームからの情報を発信するコーナーとなっております。今回のお題は「開発チームの報告」です。それではご覧ください。

▼開発チームの報告

 皆さまこんばんは。ログ・ホライズンTRPG(以下LHZ)開発チームです。
 皆さんのおかげで、冒険窓口も予想よりもずっと大勢の冒険者の皆さんに登録していただいています。ありがとうございます。

 前回の「エリッサのティールーム」でも話題に出ましたが、開発チームは遊ぶための環境づくりに対して様々なアプローチを研究しています。冒険窓口はその一環です。
 我々は開発チームのスタンスをユーザーの皆さんと共有することが極めて重要だと考えています。公式からリリースするサプリメントや情報は、その背景にある意図を理解してもらうことでより扱いやすくなると考えているからです。このあたりは、セッションを共にするメンバーが認識を一致させる有用性とよく似通っていますね。開発チームのミーティングには様々な話題が出るのですが、前述のような理由により、その内容や開発の状況を秘密にすることでユーザーにサプライズを提供するより、広く情報を共有する方が有益だと開発チームは判断しました。
 このデザイナーズレターも上記の方針に従い、開発チームからのメッセージを届けること、そして開発チームの認識を皆さんにも広く理解してもらうことを目的として公開されています。

 今回のデザイナーズレターは、開発・改良に関するミーティングと中期的なロードマップに関する内容です。また、それとともに開発チームの方針についても紹介したいと思います。ただし、今回報告するトピックスはもちろん未来に関する話題ですので、不安定なものであることをご了承ください。
 開発報告は「確定した未来」や「皆さんとの約束」ではありません。開発情報や企画進行について秘密主義になる理由の大きなひとつが「必ずお届けする」という約束ができないからです。これらが公約であるととられてしまうのであれば、むしろ秘密主義的な開発の方が有用であるということになるでしょう。
 今回の報告は、開発情報を元に皆さんの間で対話が持たれたり、ご意見や希望を開発チームに向けて発していただけることを目的としています(そのための投稿フォームも用意しています!)。そうすれば開発内容やそのリリース時期について、開発チームと皆さんの双方がより良い結果を手に入れられるでしょう。

 ログ・ホライズンTRPGルールブックが発売して2ヵ月がたち、ログホラ・ウェンズディや冒険窓口といった媒体を皆さんに知っていただいたこのタイミングこそが、開発チームが今後の方針を説明するのにふさわしいと考えました。

 さて、では実際の開発ミーティングの内容について紹介していきましょう。
 現在開発チームはいくつかの課題を設定し、開発を続けています。それらのトピックスを紹介する前に、開発チームの大きな視点を二つ紹介してみます。


▼公式からのリリース媒体

 開発チームは『LHZ』の様々な部分に追加や改良を行う計画をもっていますが、それらの発表場所についても用意が必要です。大きな話でいうと「ルールブック2(仮)」がそれにあたります。発売時期は未定ですが、現在開発とテストは続いていますのでご安心ください。
 現在の開発チームには「ルール書籍(サプリメント)」「リプレイ」「冒険窓口」「ウェンズデイ」というリリース媒体があり、どのデータをどの媒体でリリースするかについては即断出来ない部分があります。内容によってWebで発表した方が良いものや、書籍の形で出した方が閲覧しやすいものがあるからです。簡単には答えの出ない問題ですね。
 「ルールブック2(仮)」については当初、ウェンズディの連載内容を中心に再編したものをリリースと考えていたのですが、試算してみたところとてもではないですが、内容を全て記載するにはページ数が足りないことが判明しました。最初のルールブックで大変反省したことですのでコレは問題です。
 とはいえ、ウェンズディを中止あるいは縮小することにより、皆さんに提供するサポートを縮小することにより書籍に収める、というのは本末転倒です。そんなわけでウェンズディは現状のままリリースを続けて行きながら、掲載の方は取捨選択ということになりそうです。  開発チームは「リリースされる内容(ウェンズディの記事やPDF、書籍の内容)」だけではなく媒体の改良にも取り組んでいます。こちらの方は時間がかかる課題なので中期的な視点が必要です。


▼新規ユーザーや初心者ユーザーに対する支援、および人口拡大について

 開発チームは、プレイ人口の拡大は重要な課題だと考えています。『LHZ』はTRPGコアユーザーの方にも満足していただけるように、データが多めのゲームとしてデザインされているのですが、同時に新規参入ユーザーの皆さんの受け皿であるべきだとも考えます。  それは原作付きゲームというスタート地点を持つ『LHZ』の使命でもあります。「これでキミもログホラ世界の住人だ!」が『LHZ』のコンセプトですからね。
 『LHZ』はフルサイズのTRPGとしてデザインされ、現在のシーンでは決して「軽量」とは言い切れませんが、それは「ライトに遊ぶことが不可能」という意味ではありません。プレイ環境がライトであるということは、ゲームルールそのものももちろん重要ですが、人口やプレイ支援の環境、プレイスタイルによっても大きな影響をうけるからです。
 『LHZ』ではその観点から、プレイ環境をライトな方向へと押し広げてゆきたいと考えています。
 以下、いくつかのトピックスを紹介したいと思います。

プレイアブルなシナリオの拡充

 初めて『LHZ』を遊ぶための難易度を下げるためには、手軽なプレイ環境が必須であり、その為にもすぐにプレイ可能なシナリオの充実は必要不可欠と開発チームは考えています。
 シナリオ「下水遺跡の飢えた影」については好評をいただき、いくつかのプレイレポートもいただきました。これらのプレイレポートやリアクションは開発の方向を定めるうえで重要です。
 WEB配信シナリオをこれからも継続してリリースする重要性は開発チームでも共通認識となっています。しかしながら、ユーザーさんの好みは本当に多岐にわたります。戦闘中心のシナリオ、ドラマチックなシナリオ、公式NPCが登場するもの、しないもの。開発チームでも様々なタイプを模索しているところです。
 近日中に新シナリオを1本リリースする準備を進めています。こちらは前回の「下水遺跡の飢えた影」とはまた違ったテイストで、特にオンラインでのユーザー層に焦点をあてたものになるでしょう。

読み物としての価値の再発見

 現在連作サプリメントとして公開中の「イントゥ・ザ・セルデシア:ヤマトに生きる隣人たち」シリーズは反響をいただいております。ありがとうございます。
 ログホラ・ウェンズディにおいて、「サプリメントグロッサリー」と「イントゥザセルデシア」はそれぞれデータ記事、ワールド記事という体裁で別個に公開してゆく構想でした。しかし、ユーザーアクセスや話題などを分析した結果、両者を分離させておくメリットは少ないと結論づけました。むしろ「読み物としてのサプリ」の需要が大きく、これがTRPG未経験の「ログ・ホライズン」ファンの皆さんへも届きうる導線となっています。
 よって、今後ミニサプリメント形式の記事は全て「ワールドガイド記事と追加データをセットにする方針」となり、「イントゥザセルデシア」に一本化される予定です。
 データ集を単なるデータとしてリリースするのではなく、ディベロッパーが利用するためのフックや世界観の提示、セッション中の話題の一つとなりえるようにパッケージされるべきであろう、というのが開発チームの現段階での判断です。
 これに伴い、ミニサプリメント第一弾としてリリースされた「ネームドアイテム」については前回のデータを含めて再度のリリースが予定されています。とはいってもリリース時期そのものは未定です。現在はミニサプリメントのデータをご利用ください。また、ネームドアイテムのデータそのものを変更することはありません。(重大なエラッタが発見されない限り!)

発表媒体のブラッシュアップ

 記事やデータの内容が良くても使いにくい、読みにくい、ということはあり得ます(プログラムの使用規約なんかはすごく読みづらいですよね)。媒体の改良――特にWebサイトのデザインは日本のTRPGシーンが非常に不得手としていたことです。
 開発チームはこの点の改善に現在取り組んでいます。機能追加に加えて見やすい媒体を模索中ですが、これは「公式からのリリース媒体」でも触れたように中期的計画になるでしょう。ただし媒体の洗練はリーダビリティやプレイアビリティに好影響を与えるだけでなく、これは新しくやって来るユーザーの参入動線や、初期の体験の向上に寄与します。そのため力を入れるべき課題だと考えています。


▼そのほかのトピックス

 ここまで紹介した二つの視点に関連したトピックス以外にも、現在進行中のトピックスは存在します。そのいくつかをここで紹介しましょう。

アザーチケットの消費モチベーションの確保

 現在の『LHZ』プレイ環境において、アザーチケットを獲得しても使い道が無い。消費する用途が少ないという問題があり、開発チームはこれを認識しています。
 この問題に対しては、サブ職から得られるメリットのデザインおよびユニオン作成ルールが予定されており、現在開発および調整が行われています。
 ただし、どちらも中期的には優先順位の高い要素ですがリリース時期についてはかなり不透明な状態です。リリース手法についても検討中の話題となります。

ミッションについてのディベロッパーサポート

 これは現在開発チーム内でもホットな話題です。ミッションの作成やプレイ支援をすべきだと判断しています。ミッション開発手法の一般化、マニュアルやアーキ、データ提供はライトなプレイ環境支援にも、ハードなプレイ環境への支援にも大きな価値があると考えています。


▼短期的な予定

 ここまで中期的な開発予定の報告をしてきましたが、ここからは短期的な予定の報告です。いわゆる予告というものです。  エリッサが既に発表していましたが、冒険窓口は既に1万人を超える冒険者が登録されました。冒険者は1日あたり150人のペースで現在も増加中です。
 冒険窓口で皆さんが登録してくださったキャラクターデータは、大規模な統計データとして開発チームに影響を与えています。皆さんの協力に感謝します!
 ルールブックの販売も既に三刷が出荷されるなど、非常に順調な経過を見せています。入手困難な状況については申し訳ありません。お近くの書店にご注文いただくか、通販をご利用下さい。
 開発チームおよび広報チーム(エリッサひとりをチームと呼ぶなら、ですが)は、皆様への感謝とますますの環境づくりのため、「ログホラ・ウェンズディ サマーフェル」を行いたいと思います。
 「ログホラ・ウェンズディ サマーフェル」では1本のシナリオ、2本のミニサプリが含まれ、冒険窓口についても機能の追加を予定しています。
 楽しみにしていてください。


▼プロダクトリリースについて

 「ログ・ホライズンTRPGリプレイ2」の発売が決定されました。素晴らしい作家プレイヤーの皆さんの個性豊かなロールプレイによりご好評いただき、今回の2に結びつきました。また、ウルフやセイネ、マスダさん、AKに会うことが出来ますよ! 皆さまの因果力もたくさん編集部に届きました。本当にありがとうございます。
 四人の冒険者はアキバの街にたどり着き、さらなる冒険へと乗り出す模様です。彼らの楽しくも雄々しい活躍をもうしばらくお待ちください!


◆NextWeek

 さてそれでは今週の「ログホラ・ウェンズディ」はこれにて終了です。
 来週からはログホラウェンズディ・サマーフェルがいよいよスタートです。
 いつもにもまして大盛りの企画をドシドシリリースしてまいりますのでにご期待くださいませ。

 担当のエリッサでした。

© Touno Mamare 2014