「わたしはレリア＝モフール。このダメ妹の保護者です。本当に申し訳ありませんが、路銀消失ゆえ今後ともご飯をよろしくおねがいします」
「我らが姉妹の失意を先取りするな！」

　鮮やかな翠色の髪に、夕暮れのバイオレット色の瞳を持っている〈古来種〉の少女。〈狼牙族〉のなかでも精悍な三角耳を常に頭部から出していて、二の腕や太ももには民族風の入れ墨がある。年齢は十代後半で、体型はそれにふさわしく伸びやか。妹のリトカ＝モフールよりも露出の多い、踊り子風の衣装を身にまとう。また、大きながまぐち財布を愛用。
　性格は生真面目で貧乏性。なのだが、視野がせまいために、節約をしすぎた結果最終的にはもっと損をしてしまうということも少なくはない。奔放でだらしない妹には恐れられているが、なんだかんだで甘やかすことが多い。
　だが、本当にキレてしまったときには表情を失い、肉体的な意味でのお説教をすることがあり、リトカからは「黒ねー様」「逆らっちゃいけないねー様」「終わりのねー様」と恐れられている。
　趣味は食べ歩きで、美味しいものには目がなく、頭は回るが根本的なところで純真なため、ごちそうをおごってくれる人にはすぐに騙されるという欠点も。
〈イズモ騎士団〉創立時からの古いメンバーでもあり、〈エルダー・テイル〉サービス開始当時に登場した非常に歴史ある〈古来種〉。妹リトカ＝モフールとともに「子どもたちの守護者」「いずれ輝く星々の加護者」を名乗り、特に力弱き〈冒険者〉にたいしては、身命を賭した助力を行なう。そのためにレベル五十程度の（いまとなっては）英雄初心者といった段階の〈冒険者〉を見守り、見送るという大規模戦闘《ルビ：レイド》上の役割を与えられており、数多の冒険者が自分たちを追い越していく経験をしてきた。
　職業は〈武闘家〉でレベルは６５。武器は大型の装甲ブーツ。蹴り技を多用し、空中機動を得意とする。本気を出した際には典災の攻撃をすべてその場で迎撃するほどの体術のキレを見せた。